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スポーツの分野に於いても、メンタル面の重要性は日常的に語られています。 それは時には、選手であったりコーチであったり監督であったり、各々の立場の人々から語られ、それにより又そのスポーツが発展して行く、という流れが起こっています。
その反面、精神論に対する反発も、少なからず存在しているのです。 一定年齢以上の方ならご存じの通り、一昔前にはテレビのスポーツ根性ドラマの大流行でも分かる様に、スポーツの世界では科学的根拠の不明な根性論が幅を利かせていました。 実際に、根拠の無い根性論で無理な練習を行なった結果、選手を壊してしまった不幸な例も、確実に存在しているのです。
但し、それは間違った精神論を押し付けた結果である、と今日では断言出来ます。 何故ならば、精神が肉体に与える影響を、科学的に分析したならば、スポーツに対して精神面の科学、即ち心理学が有効でない筈がないからです。
現在では、最新心理学に於けるスポーツに対しての応用は、随分と多く見受けられます。 或いは、最新心理学が最も威力を発揮するのは、スポーツの分野かも知れないのです。 何故ならば、スポーツの場合は、その結果が記録に明確に現れるからです。
先ず、どんなスポーツにも、その競技特有のテクニックが存在しています。 無論、そのスポーツのテクニックが、最新心理学のテクニックによって磨かれる、という意味ではありません。 日常的な練習によって体得している技術を、本番で如何に最大限に発揮するかというのが、心理面に於いてのアプローチだからです。 従って、練習の際に根性論を押し付けるのとは、全然異なる方法であると言えるのです。
事実、スポーツに於いての精神面がクローズアップされた例として、2009年に開催された第二回ワールド・ベースボール・クラシックが挙げられるでしょう。 結果的にこの大会ではV2を達成しましたが、実は精神面で追い込まれていた選手がいました。そうです。イチローです。
彼は本来シーズンの中盤以降にピークを持って行く選手の為に、本当は春先は毎年調子が悪いのです。 それでも矢面に立たざるを得ず、リーダーとしてチームを引っ張る立場になりました。 言うまでもなくその事が、イチローという稀代の名プレイヤーを精神的に追い込んだ事は、恐らくは間違いないでしょう。
それにも拘らず、イチローは最終的には、日本を優勝に導くヒットを放ちました。 その際、彼をその快挙に導いた原動力は、他のプレイヤーの支えも大きかったでしょうが、何よりも本人の自己心理把握能力の高さにあったと思われます。 決勝の前にイチローは、「緩める所がなかった。もうこのままで行く。」と言っていたそうです。 もし、この機に及んで未だ理想を求めていたならば、決勝戦のあのヒットは出なかったかも知れないのです。 彼はスポーツ心理学の見地からも、極めて優秀な自己制御能力を有する選手と言えるでしょう。
因みに、イチロー選手がイメージトレーニングをしているのは、かなり有名な話のようです。 優秀なスポーツ選手は皆、勝利する自分の姿というプラスのイメージを頭に描きながら、厳しく苦しい練習を積み重ねていると言われます。 人間の想念には偉大な力があるのだと、何でも喜びを持って前向きに受け止めなくてはならないと、改めて思わずにはいられません。
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